歴史の証人、8000人

tkoM2010-05-30

はてさて、一体何度目でしょうか。日本武道館に行ってきました。
茅原実里のツアー最終(追加)公演です。
 
…いや、ちょっと今日のは凄かった。
終演後、通算20回は同行者に対しそう叫んだ気がします。
うん、凄かった(22回目)。
そうそう巡り会えない、素晴らしいライヴに参加できたと思います。
 
僕がライヴに参加する声優さんの中でも、茅原実里の歌手志向ってのはとりわけ強いものがあると思うんですよね。
大半のシングルにはアニメのタイアップが付かず、歌手として独り立ちしたいという意思をひしひし感じます。
路上ライヴから始まって、一度は歌手生命を絶たれかけ、奇跡の復活から辿り着いた武道館。
多くのシンガーと同様に、本人が夢と語っていた武道館。
ええ、今日は確かに武道館というハコの魔力を感じました。
 
冒頭、灯りが落ちた瞬間、シンボルカラーの青…ではなく、緑のサイリウムに埋め尽くされる客席。
あ、あれ、準備が、と慌てている間に2曲目はなんとパラロス(本気だ!と驚愕)で真っ赤に。
その後もサイリウムの色が頻繁に切り替わり、初見の上に事前準備なしのこちらは序盤大汗でした。
 
そんなバタバタが気にならなくなったのは、そう、「優しい忘却」からだったでしょうか。
アカペラで歌う彼女の姿に、すとーんとひき込まれました。目が、離せなくなりました。
高まらない訳が無い「雪〜」、そして満を持して「純白」。
アイドルライヴは何度も行きましたが、コールでヴォーカルが聞こえなくなるなんて経験、初めてです。
 
そして、定番曲が惜しげも無く投入されるメドレー。
思えば過去に行ったライヴでは、アンコールが本当にアンコールだった事も(同じ曲を2度歌った)。
曲の引き出しが、幅も深さも飛躍的に広がった事を改めて実感。
そして、サビしかないのにきっちりサイリウムを変え、UOを折る客席が凄すぎます。
 
なんかもうこの辺からは、叫んで跳んだ事しか記憶にありません。
怒涛の終演。そしてアンコール。
1万人規模の会場で、アンコールがきっちり揃った経験もまた、初めてです。
 
でね、アンコールですよ…陳腐な表現ですが、ここが本当に感動的だった。
思いのたけをいつに無く力強く、そして涙ながらに語る茅原実里
でも、楽曲はしっかり歌いきりました。ああ、ここにも彼女の成長の跡が…
特に「Contact 13th」がなぁ。うっかりこちらだけ泣くところでした。
そして、あれだけサイリウムの色変えにこだわった観客が、ラスト「sing for you」では一斉に消灯。
手拍子さえ打たず、静かに聴き入ります。いや、今日は本当に会場全体が奇跡だ。
 
終了後、三本締めが始まる気配を察するや、ピタリと止む場内アナウンス。
うわあ、今日はスタッフの心遣いまでもが身にしみて泣けてくるよ…
 
本当に、本当に満ち足りた一夜でした。
今日のライヴは、茅原実里の歌手としての方向性を確実に決定付けた公演となった事でしょう。
水樹奈々の2007年横浜アリーナ公演が、そうであったように)
茅原実里と、多くのスタッフと、そして8000人(かな?)の観客は今宵間違いなく、歴史の生き証人となりました。
その末席に(正確には1F西スタンドに…笑)名を連ねる事が出来たのは、この上ない幸せです。