暴走(主にチャリが)横断の巻。

たまには真っ当な?乗り鉄を、という事で出かけてきました。
やって来たのは小湊鐵道五井駅。年季の入りまくったキハがいつも通り駅裏に大量集結しています。
最近までは隣のJRも国鉄型ばかりで、何だココは…と目を丸くしたものですが、今や向こうはVVVF車の天下。
(ここまで来ると、209系がバリバリの最新鋭車に見えてくる。)
こちら側だけ、完全に時代に取り残されました。OKです。一周(一周?)回って渋いです。
 
いやいやそれでも、近代化は進んでいるんですよ。最近の小湊鐵道のホットニュース、
 
「自動券売機が導入されました」
 
パスモでも自動改札でもなく、自動券売機のお目見え(16日からだったらしい)。
素敵です。5000円札は使えないのに2000円札はOKという謎仕様込みで素敵です。
ちなみに近距離切符ならコンコースのJR券売機でも買えますが、企画切符は乗換通路のこの券売機だけ。
じゃあ、一旦改札外に出た人(自分らもですが)はどうするのか?
JR係員に「小湊です〜」と告げればフリー入場できます。ユルイです。
 
券売機の脇にはオバチャンがいて、操作方法を懇切丁寧に案内中。
「あ、トイレはJRの方…」
 
はいはい、小湊ホームには無いんですね。
 
「…がキレイだから」
 
そういう問題ですか!
のっけから小湊鐵道のマッタリし過ぎた空気にしてやられた我々を乗せ、ディーゼルカーはのんびり進んでいきます。
 
そんな小湊鐵道の、自動券売機新設をも上回るビックニュース、
 
タブレット交換、復活しました」
 

 
えっと、今年は2013年、だよね…?
列車増発に伴い里見駅に交換設備と駅員配置が復活、キャリアを抱えて駅員さんが構内を走り回ります。
増発自体は小学校統合によるものですから手放しには喜べませんが、鉄道サイドからすれば景気の良い話。
観光客で座席はさらりと埋まり、女性車掌と談笑するなどノンビリした雰囲気。
この空気大切にして、永く頑張ってもらいたいものです。
 
ああちなみに、ボロイとか何とか毒吐きましたが、大好きですよ。
あと、乗車したキハ200、親会社の最古参の電車よりは新しかったです。
つうかダメじゃん、京成電鉄…。
 
終点上総中野でいすみ鉄道に乗り換え。こっちはかなり久し振りです。
が、降り立ってびっくり。狭いホームが乗客で埋まっています。
運転士が大汗をかいて「(起動試験で)電車動かしますから下がってください〜」と叫ぶレベル。
よく見れば大半はツアー客。閑散時間帯のはずなのに2両編成なのは、団体対応で増結したのでしょうか。
車内は大層賑やか、要所要所で運転士の軽妙なガイドも入ります。
「今年の菜の花は例年の3分の1くらいで…すみません」と率直な物言いも好印象。
もっとも、3分の1というより5分の…いや気にしないことにしましょう(笑)。
 
さて、今回はちゃんと?観光もするべく、大多喜で下車。
ツアー客も一緒に降りる所までは予想通りでしたが、ホームには別のツアー客が。
しかも、対向列車にもまたまた別の一団が乗り込もうとしています。
ちょっと待ってちょっと待って、いすみ鉄道、どーしちゃったの?
 

 
しかも横断幕でお見送り付きである。
 
何年も乗りに来なかった間にこの鉄道に何が起こったか、と言えば、周知の通り公募社長が就任した訳です。
養成費自腹の運転士募集とか、国鉄型車両の購入とか、色々ぶち上げるこの社長さん。
アグレッシブな営業姿勢は、乗客増という実にストレートな結果を生んだようです。
 
城下町・大多喜の街並みは保存も整備も行き届いていて、歩いていて気持ちの良い場所でした。
だけど正直、メジャーな観光地では無い(僕はこの手の雰囲気、大好きですが)。
千葉といえば筆頭はなんと言ってもディズニーで、あとは成田山とかマザー牧場とか。
大多喜は、ましてやいすみ鉄道は超マイナーです。何もしなければ人は来ません。
しかし今日は、ツアー客を分散して複数の列車に乗せねばならぬほどの賑わいです。
ダイヤとツアー行程が巧みに組み合わされている、という事は、鉄道側が全面協力(むしろ主導)しているのです。
 
大赤字のお荷物会社、廃線の瀬戸際まで追い込まれたいすみが、地域振興を牽引している。
房総の山里で、なんだか凄い事が起きています。
 
他所からトップを迎える、というのは一種のバクチ。
やる気充分でもそれ故に場の空気を読まず、空回り、軋轢、士気低下…という悪循環だって起こり得ます。
(完全に余計なお世話ですが、某趣味誌に連載されている東北の3セク鉄道は大丈夫なのかなあ)
だけど、いすみの現場は、なんだか凄く楽しそうだった。活気があった。
大多喜城から戻ってきたら、ホームで若手運転士(見習?)数人と和やかに談笑する恰幅の良いオジサマが。
後で同行者が調べてくれたのですが、やはりこの方が社長さんでした。
 
さて、窓から心地よく風が吹き込むレールバスで数駅、国吉へ。
駅で自転車を借りて、前々から気になっていた「ポッポの丘」に向かいます。
片道たっぷり30分、いい運動です。
 

 
本業は鶏卵牧場であるはずのこの業者、オーナーの趣味なのか鉄道車両を買い取って並べ始めました。
いすみや銚子電鉄の廃車だけならまだしも、千葉モノレールや丸ノ内線まで…。
丘のてっぺんにはDE10とブルトレが据え付けられ、補修工事の真っ最中。いやはや凄い熱意です。
 
あれもこれもじっくり眺めていたら、いつの間にやら自転車の返却期限まで30分。
おかしい!大多喜で2時間、国吉で3時間観光に充てたのに、何でこんなに時間が無いんだ!(笑)
二期作なのか早場米なのか、沿道の田んぼには早くも水が張られ始めています。
美しき日本の田舎ですが、そんな風景には目もくれず駅に向かって走る走る。
自転車が怪しい音を立て始めていますが、委細構わず走…ったら壊れました(爆)。
 
「間に合わないから先に行って!」と同行者をあおってのんびり歩いて駅へ。
…なぜ僕が先に着く(笑)。
盛大に道に迷ったとの由。まともな旅行を企画したはずなのに、やっぱりオチがつきました。めでたしめでたし。
 
という訳で丸一日(一日?)遊び倒していやはや満足。
さて次は何処へ行きますか。