ひっそりと消え行くもの。

県立岐阜商、凄え。中継見ながら若干泣きそうでした。
などと感傷に浸りつつの職場からの帰り道、駅に衝撃の張り紙が。
 


京成線の行商専用車、4月より一般に開放。
平日ダイヤだけの設定でしたから、もう既に廃止されたことになります。
 
成田・佐倉から東京へ行商に出る、かつぎ屋のオバサマ達御用達の行商専用車
かつては専用の列車を仕立てていたそうですが、高齢化と時代の変化で行商人は激減。
昨今は午前中の上り普通列車1本の最後部車両を貸し切る形になっていました。
(と言うより、自分が千葉に来たのは4年前なので、それしか知りません)
 
毎朝ホームには、専用車の来る何十分も前から通勤客を尻目に段ボール箱が積み上げられていました。
(上りホームの中途半端な高さの台は本来、椅子ではなく行商用の荷物台。)
網棚から吊り下げられた「嵩高荷物専用車」の看板、特に最新の3000形には全く似合わず異彩を放っていました。
ダイヤ上はただの普通列車。停車時間は短く、積み下ろしを手伝う車掌、旅客誘導をする駅員、現場も総出でした。
上野に着いて折り返し電車の中に入ると、菜っ葉の香りがつーんと漂ってきたものです。
 
近鉄の鮮魚列車と並ぶ、昭和の香りを残した名物列車。
ついに命脈は尽きました。むしろ、よくぞここまで残ったと言うべきでしょうか。
 
あのオバチャンたち、これからどうするのでしょう。
大荷物を抱えて混んでいる快速特急に乗り込むのか、はたまた車にシフトするのか。
そうこうしている間に、行商というスタイルそのものが消失しそうな気がしてなりません。