国境のトンネルを越えなくてもどこも雪国だった

tkoM2006-02-04

旅行の虫が騒ぎ出したので、新潟県まで日帰り。
 
目的は上越新幹線・越後湯沢−ガーラ湯沢間の乗りつぶし。とは言え、日帰りで新幹線を使うのは勿体無いような気もするので、在来線で行くことにする。
まずは湘南新宿ラインで大宮まで出て(ここまでで既に遠い)、9時26分発の特急「草津白根」に乗車。
この「草津白根」ってネーミングは、どうもよく分からない。土休日のみ上野から万座・鹿沢口へ向かう1往復の臨時特急なのだが、運転区間も車両も「草津」と全く同じである。どうも語尾に「白根」とつくと全席指定になるらしいのだが、それがどうしたと言う気がしないでもない。
 
まあ、退屈な高崎線を適度に飛ばしてくれるのだから、大層ありがたい列車ではある。桶川や籠原など、本来特急が止まるような駅ではない駅をきちんと通過してくれるのも良い(笑)。
 
15時10分渋川着。空は青いが風花が舞っている。こんな駅まで改札口は自動だが、やって来た鈍行のドアは手動である。ことこと揺られるうち、周囲は雪景色となっていく。「こんな所で積もってるのか。吹雪いてなきゃいいけどなあ」とボーイスカウトの指導者らしき乗客が心配そうに空を見上げた。
 
11時26分水上着。きっぱりと雪である。太平洋側と日本海側の差が際立つから冬の上越国境越えは面白いのだが、今日はこっち側から雪国である。乗り継いだ長岡行のスピードはさっぱり上がらない。新清水トンネルを抜けると、雪はさらに増した。駅に隣接してるはずの中里のスキー場が、雪の壁に遮られ見えない。
 
越後湯沢には5分遅れで到着。車掌は遅れをわびていたが、とんでもない、この吹雪の中良くぞ止まらなかったものである。飯山線只見線は運休、ほくほく線の「はくたか」は長岡発着に変更されている。北陸に行った人達は難儀してそうだな、と心配しておく。
 
さて、目的のガーラ湯沢であるが、単純往復では芸が無いので、往路はスキー場の送迎バスに乗る。周りはスキーウェアに身を固めたグループばかりで少々気恥ずかしい。久しぶりに滑りたいなあ、と思う。
 
「いらっしゃいませ」と慇懃に出迎えられてガーラ湯沢着。もろもろのブースの前を素通りして改札を探し当て、13時04分発の「MAXたにがわ」に乗車。すぐに本線の高架に寄り添い、車内放送が終わる前に越後湯沢のホームに滑り込む。短距離なのは知っていたけれど、半日かけてやって来てこれだけである。我ながら、失笑するほか無い。
 
これだけで帰るのはいくらにもアレなので、ついでに吾妻線を目指すとする。しかし上りの鈍行に適当な列車が無い。新幹線で一度高崎まで戻ってしまえばいいのだが、それも行ったり来たりでしっくりしない。
 
結局新幹線を上毛高原で降りる。駅構内に飲食店が、立ち食いそば1軒しかない。駅前には新幹線開業と同時に肝いりで建ったと思われる物産館があるが、テナントが半分以上撤退し地元市町村のPRボードがスペースを埋めている。ヤバイ駅である。
 
30分待って路線バスに乗り込むと、下りの新幹線が遅れているので数分待つとの由。ほどなくパラパラとお客さんが出てきたが、乗り継ぎ客は居なかった。7分後、上越線上牧駅で僕が降りるとバスは空っぽになった。
 
上牧から渋川へ。雪は嘘のように消えた。すぐに高崎始発の、吾妻線大前行がやって来る。15時17分発、4両も繋いでいるのに良く乗っている。ただし中之条、川原湯と然るべき駅に着く度にまとまって数が減っていく。
 
上越線に比べるとゆっくりと、しかし確実に雪が目に付くようになってくる。万座・鹿沢口を出た頃にはそこら中に積もっていた。ゴツゴツした奇岩が車窓に迫る。大統領の顔でも彫れそうな崖である。
 
16時41分大前着。ここまで乗ったお客さんは4人。しかし下車客は1人。つまりあとの3人はそのまま引き返す。公営住宅と旅館が1軒あるだけの妙な終着駅だが、古びた橋の向こうには集落が見えている。雪に足を足られまいと注意しながら歩いていたのに、雪の無い所で左足を9ヶ月ぶりに挫く。
 
こんな関東の果てから、横浜まで乗換え1回で帰れるのだから湘南新宿ラインと恐ろしい。グリーン車を奮発しても、2時間以上揺られてたった750円である。高崎線にもグリーン車は随分浸透したようで、2Fは半分埋まった。もっとも、新宿に着くや否やあっという間に満席となったのだが。
 
21時34分横浜着。定期券で相鉄に乗り継ぐ。堪能した1日だった。ことに、雪景色が印象的だった。思わず、まだ横浜にも雪が積もっているように錯覚…
 
…あれ、ホントに積もってる!?
 
 
出かけてて見逃したんですが、今日のアド街、「海老名」だったんですね。うわー、気になる。
しかし海老名も偉くなったもんです。伊勢原には…うーん、いつの日か来てくれるのかどうか…