九段下が、遠い。

震災直後には絶対中止だろうと思っていた、田村ゆかりの武道館ライヴが昨日今日と開催。
折りしもディズニーランドの再開が好意を持って報道された直後。
ちょっとずつ、ちょっとずつ戻せる所からこうして元に戻っていくのでしょう。
小心者の当方としては、開催しても良かったのか?という思いもありますが、参加する以上は全力全開です。
 
とは言え、まだまだ余震(誘発震?)も続く昨今。
当方は昨日から泊まり勤務。今日の朝にでも地震が起きて帰宅が遅れたら開演に間に合いません。
最悪、会社から直行するつもりでカバンにはサイリウムを忍ばせていました。
幸いにも勤務中、逆に不気味な程地震は発生せず。予定通りに帰宅して、新聞を社会面まで読み進めた時でした。
 
…初期微動が割とハッキリしていたので、「これはデカイぞ」と緊張しました。
実際には千葉北西部は震度4。市町村別では3で、どんだけびびってたんだという話でしたが。
それにしても茨城県鉾田市という場所も実に良く揺れる場所で、住民の心労は察するに余りあります。
 
会社の状況が即座に心配になりましたが、調べた所さほど酷くは無い様子。大丈夫そうです。
出発まであと1時間強。予習がてら「シトロンの雨」でも聞きますか。
PCに最新アルバムを挿入して、1曲目の間奏まで辿り着く前でした。
 
…かかってきた電話を取る勇気を振り絞るのに、5秒かかりました。
 
「悪いんだけどさ、来てくれる?」
 
YESと返事するのに、2秒かかりました。
 
良くライヴに行く声優さんでも、ラジオやブログは通常ほとんどチェックしていません。
でも地震直後はさすがに気になって、幾つかの日記に目を通して。やっぱり引っかかったのは姫の日記でした。
以前にも書きましたが、彼女が抱えていると思しき"孤独"に、どこか共感してしまうのです。
不安、無力感、そして寂しさ…震災後の日記はある意味正直でした。読み手が心配になるほどに。
だから今回のライヴ、何よりもまず彼女を励ますために、僕はサイリウムを振り回すつもりでした。
1万人が一体になって「僕等が此処にいる」と彼女に誇示する事こそが、今日参加する意義だと思っていました。
(なんで田村ゆかりについて書くと、いつもこんな上から目線の痛い文章になるかかあ…)
 
でも結局それって妄想ですし、ライヴが「遊び」である事は疑いようも無いわけで。
乾電池を福島に送った後、次に何が出来るかをずっと考えています。
原発はおろか、志津川石巻にさえ行けない僕には、詰まる所今できる事をやるしかありません。
今できる事。そこに為すべき仕事があるのなら、黙々と向き合おう。
遠回りでも、こじ付けとしか思えないほど間接的でも、それが世の為になると僕は信じています。
 
今日、確実に誰かの助けになれました。
でも傷つけた人が居ます。単独参戦じゃないですから。これで良かったかどうか分かりません。
だけど、もう一度今日を繰り返せたとしても、僕は同じ選択をしたでしょう。
それがプロフェッショナルとしての、なけなしのプライドです。
 
とは言え、旅行も無理、ライヴも不可、じゃねえ。
別の要素も絡んで、いきものがかり平原綾香アニサマにも手を出していないのですよ。一青窈も無理かも。
本当は行きたくて仕方が無いのですが。
 
やっぱり次に地震とかぶったら、仕事捨てようかなあ…(涙)
(↑今まで長々書いた内容が台無しである。)