先島諸島・島つぶしの旅-3

ホテルのビーチから日の出を眺めつつモーニングコーヒー、というプランもあったのですがしっかり寝坊。
心配無用、本日もやっぱり雨でした。
 
ホテルの車で小浜港へ出て、島内一周のマイクロバスへ。
いざ乗り込むと、お客のほぼ全員が近ツリのツアー客。添乗員もいて、別のパックに紛れ込んだかのよう。
どうもこのツアー、現地旅行社のツアー商品をつぎはぎして出来ているようです。
 
竹富島と違って随分起伏があり、バスは静かな集落を抜けると、サトウキビ畑の中をゆっくり登っていきます。
坂の中腹にポツンと立つ松は、240年前の津波で種が運ばれてきた痕跡。
ちなみに先の震災ではポストが流れつき、主産業の肉牛生産は福島の業者が営業出来ず、目下大忙し。
遠く離れた八重山の地にも、震災の影響は少なからず及んでいるようです。
 
なお、牛の産地は出生地ではなく育てた場所を言うのだそう。
「松坂牛」も「神戸牛」も、その少なからずがここ小浜島の生まれなのです。
 
他にも運転手さんからは、よもやま話がポンポンと。これがツアーの面白いところ。
小浜や竹富等幾つもの島から成り立つ竹富町の役場は、どの島からも便利なように町外(石垣市内)にあるとか。
八重山出身の有名人はなんと言っても具志堅用高だか、偉大過ぎてどこに銅像を作るか揉めているとか。
 
行くほどに風景は荒涼とし、電柱以外は何もない中を走ると最西端の細崎。
 

対岸の平べったい島が水牛の由布島。その奥が西表島
 
こちらは薄日が差していますが、西表島は本降りである様子がはっきり見えます。
今頃、マングローブ林は熱帯のような鬱蒼とした雰囲気に覆われているのでしょう。
 
続いてバスは島内最高峰・大岳の麓に横付けされ、展望台までプチ登山。
 

細崎方向を望む。西表島との間の海は、マンタの通り道ヨナラ水道。色がくっきり異なります。
 
港まで戻り、船で石垣島へ。下船すると、桟橋には昨日見た記憶の無い金ピカの銅像が。
迎えに来てくれた一昨日のタクシー運転手さんに、「何か建てたんですか?」と聞いてみる。
 
「ああ、具志堅。」
 
もう出来ているじゃないか。揉め事は片付いたようです(笑)。
初日にあちこちで写真を撮ってくれた運転手さんは、具志堅像を完全スルー。
興味ないのかな?と思いきや、車内では現役時代の活躍ぶりを語る語る。
やはり具志堅、八重山みんなのヒーローのようです。
 
車は一路空港へ。6島目、宮古島までは飛行機で30分です。
 
空港に着いてみると、与那国便は荒天のため欠航とか。
ロビーにはどこか新聞社の「こども記者」企画らしい一団がいて、ソバをすすりながら途方に暮れています。
「代わりに海上保安庁に行ける事になりましたが、何を取材するか私も分かりません」と引率役も困り果てた様子。
 
幸い宮古便は飛ぶので、我々も八重山ソバのお店で昼食。これはツアー料金に含まれています。
レジのおばちゃんにクーポン券を差し出すと…おばちゃん暫しフリーズ。
「こんな券は見た事が無い、ハンコも無い、値段が書いてないから何を出せばいいか分からない!」
 
うん、確かにこの券、A4コピー紙にワープロ打ちしただけで怪しさ爆発だとは最初から思っていたけど(汗)。
旅行社やらソバ屋の事務所にやら連絡を取り、一杯頂くのに約20分。いや難儀でした。
あ、お味は宜しゅうございました。
 
出発階には八重山諸島唯一と思われるスタバもあるのですが、注目はソバ屋の隣は石垣牛のお店。
フードコート的なかる〜い店構えなのですが、目玉商品石垣牛ステーキの値段ときたら…
ここで注文する人いるのかしらん(在庫はちゃんとあるんだろうか、という思いも頭をかすめました)。
 
宮古島行の飛行機は、離島間航路の割には6列座席の中型機で、乗りもそこそこ。
水平飛行はごくわずかで、あっという間に着陸。ここでもタクシー観光です。
 
走り出してすぐに違和感が。4車線道路にひっきりなしに行き交う車、ぽつぽつ現れるロードサイド店。
 
宮古島には幾つ信号機があると思います?」と運転手さん。
西表島は2ヶ所。石垣島だってせいぜい20ヶ所くらいにしか見えなかったので…「30くらい?」
「90ヶ所ありますよ。」
 
世間的には石垣の方がメジャーな感があるのですが、あくまでそれは観光地としての知名度
街自体は、石垣より宮古(平良)に方がずっと大きいのでした。何せマックもイオンもある。
 
しかしこれは宮古島にしかないでしょう。

 
交通安全協会が設置したこのシュールな表情の人形、その名も「宮古島まもる君」。
さるTV番組(珍百景?)で取りあげられ全国で話題沸騰。今やすっかり宮古島のシンボル扱いです。打倒くまモン
 
島北端に近い製塩所を見学した後、車は7島目、池間島へ。宮古島との間を繋ぐのは、全長1,425mの池間大橋

 
集落は橋付近に固まっていて、中央は沖縄では珍しい湿原地帯。
あっという間に一周し、橋のたもとでお馬鹿な写真を撮り合ったりして撤収です。
 

一応撮った、お馬鹿でない写真(苦笑)。
 
帰路にガイドしてもらった、「パーントゥ」の観光案内看板。

 
宮古島でも島尻地区等に限定して伝承されている神様。
毎年新築の家に上がりこんでは、泥まみれにして帰っていくそうです。
お土産店ではキャラクター化もされていますが、神様なのに、まもる君に押され気味です(笑)。
 
市街から大きく離れたホテルに投宿。残念ながら、送迎付き居酒屋さんはありません(涙)。
近くの郷土料理店を運転手さんに薦めてもらいましたが、本日休業。ホテル系列の屋台村で夕食と相成りました。
 
島豆腐に舌鼓を打っていると、脇のステージからは歌声が。
下地暁さんという、地元シンガーの郷土感溢れるライヴでした。一緒に歌った娘さんも実に聴かせます。
ホテル客のみならず固定ファンも来ているようで、最終的には全員踊りだすという大盛況。
こんな夜も素敵です。