先島諸島・島つぶしの旅-4

島の天気予報は当たり辛いそうで、昨日は午後から曇りのはずだったのに本降り。
じゃあ今日辺り曇りの予報が外れて、そろそろ晴れても…と願ったものの、相変わらずのどんより空です。
 
昨日のタクシーが迎えに来て、まずは通算8島目、来間島へ。

 
池間島と同様、宮古島とは橋で直結されています。
来間島大橋の全長は1,690m。池間島大橋よりさらに長く、見事な建造物です。
 
集落内の展望台に上がると、絶景もさることながら、物凄い風。朝っぱらから髪の毛バッサバサ(苦笑)。

 
例によって島を一周して宮古島へ逆戻り、平良市街のフェリーターミナルへ向かいます。
9島目、伊良部島へはカーフェリーで渡ります。所要25分。

 
港に停泊している時点から嫌な揺れ方はしていたのですが、進むほどに揺れは増幅。
相方は早々にダウン、伊良部島に接近するにつれ横波をまともに受ける格好となりこちらも死亡(涙)。
ヘロヘロになりながら佐良浜港に降り立つと、早速タクシーに押し込まれ、軽く窓を開け出発。
崖上に位置する静かな集落を抜けると、車は風吹きすさぶ中を進みます。
巨大な鷲を模した展望台に停車。先着していた観光客に「向かい風が…」と声を掛けられ上ると…
 

ええ、そりゃあもう。
 
ペシペシとタクシーに打ちつけるのは雨ではなく、吹き上げられた波しぶき。ちらりと見えた水面には座礁船。
過酷な環境です。
 
道は徐々に海岸線のレベルに近付き、湿原かと見紛う水たまりを越えます。
ここからが10島目の下地島で、そうと言われなければ境界を越えた事も気付きません。
 
島の大部分を占めるのが、これ。下地島空港

 
現在定期路線はなく、パイロット養成専用の空港という変り種。
運が良ければ滑走路直下から、大型旅客機のタッチ&ゴーが拝めるそうです。
しかしJALは経営破綻で撤退、ANAも今や及び腰との事で、今後の推移はかなり不安。ひと気はまるでありません。
 
空港の裏手で車を止め、暫し歩くと現れるのは通り池。

 
外海と洞窟で繋がっているこの池は、絶好のダイビングスポット。
しかし我々は、吸い込まれそうな水面の深い深い蒼に恐怖感を覚えるばかりです。
 
下地島の定住人口は極めて少なく、空港以外はサトウキビ畑ばかり。折りしも収穫が始まった所です。

 
伊良部島の製糖工場もほんのり煙を上げています。
ちなみに、宮古島地区の農業で最も儲かるのは葉タバコ、そして肉牛。
サトウキビは手間もかかり(機械を借りるのも高額で、収穫は現在も手刈りが主流)、生長期間も長い(2年)。
効率の悪いサトウキビに見切りをつけて、他の作物へ転換する農家が後を絶たないそうです。
 
良浜港に戻り、地元の人で賑わう食堂で郷土料理のお弁当。グルクンの唐揚げが実に美味。
 

…ちょっとスターウォーズみたいだ(笑)。
 
宮古島へ戻る船は、往路ほど揺れはしなかったものの、やっぱりげんなり。
現在伊良部大橋(全長3,540m。無料の橋としては日本最長)を建設中で、いずれ宮古とは地続きになります。
 
平良港から元のタクシーに乗り込み、島東端の東平安名崎へ。
 

もはや日本離れの絶景。
 
灯台に上れば、本日初めての奇跡的な晴れ間が。海底のサンゴ礁までくっきり見下ろせます。
しかし風が!本当に連戦だな(笑)。
そして風に煽られるどうしようもない写真を撮りあうバカップル1組。
お互い写真は苦手なはずですが、日に日にリミッターが外れていくようです。
 
農園でマンゴーアイスを賞味したところで、タクシー観光は終了。
本来のコースはこのまま空港へ、なのですが折角の休みだからもう1日延泊します。
平良市街まで送ってもらってあとは自由行動。
市場を巡ったり、お土産屋を冷やかしたり、路地裏をプラプラしたりと当てもなく…

 
こんな場当たりに付き合ってくれる相方も物好…いや、感謝感謝ですよ。ホントですってば(汗)。
 
さて、ホテルに戻りますが、送迎バスは市街までやって来ません。
沖縄のタクシーは初乗り400円台で本土に比べればずっと安いけど、それでも高い。
という事で、路線バスで帰ります。らしくなってきました(笑)。
 
宮古島のバスは人口規模の割には貧弱で、2社7路線がそれぞれ1日3〜7本程度走っているだけ。
バスターミナルは市街のはずれで、しかも2社で別の場所。中心部には乗り入れません。
平良市街を巡るコミュニティバスのポスターも見たのですが、実験段階だったようで現在は廃止。
どうも、公共交通機関には縁遠い島のようです。
 
ともあれ、比較的中心部に近いバス停で17:35のバスを待ちますが、一向に来ません。
じりじりしながら時刻表を睨んでいて、ようやく気付く。休校日だから休日ダイヤだ!
乗るつもりだった便は休日運休、次は30分後で最終便です。
 
「送迎バスの来る空港まで歩くか!」と息巻く相方をどうどう、と抑えてコンビニで暖を取ります。
バスは無くとも宮古島、しっかりコンビニはあります。ファミマとココストア多し。
石垣島では地場チェーンしか見かけなかったので、千葉と同じ品揃えがかえって新鮮です。
 
それでも独自色が現れやすいのは、牛乳を筆頭とした飲物類。
「ミキ」なる米飲料を買って後で飲んでみましたが…うーん(苦笑)。
 
さて、ようやくやって来た最終バスは無人
一見普通の路線バスですが、整理券はおろか案内放送すらありません。降車ボタンいつ押すの?
 
行くほどに陽はとっぷりと暮れた上、脇道にそれてどこをどう走っているか分からない状態に。
果たしてホテルに向かっているのか、と疑念を持ち始めた頃、予想外の方向へ曲がるバス。
おいおいどこだココ、と焦っていると停車して運転手さんから声がかかりました。
手渡しで運賃を払い(所要30分で370円は激安だと思う。補助金漬けかあ…)下車。
教えられた道を歩き出すも、18時半なのに辺りは真っ暗でひと気もない。
寂しいなあ、ちょいと怖いなあと思っていると、出し抜けにぬっと人影が。
 
「うひゃあ」
 
よく見るとそれは、交差点に立つ宮古島まもる君なのでした。
怖いよ、むしろ事故るよ!
 
どうにかホテルに辿り着いて、今日は開いていたタクシー運転手さん推奨のお店で宮古そば。
本日も順調に遊び倒しました(笑)。